はじめに:よく耳にする声
「先生の子ばっかり見てるよね」
「〇〇くん、指導者の子だから偉そうにしてる」
道場を運営する中で、時々そんな声が耳に入ってくることがあります。
親御さんが大切なお子さんを預けているからこそ、そう感じる瞬間があるのも自然なことかもしれません。
でも、今日はそんな「誤解」を少しだけほぐさせてください。
実はその裏には、子どもたち全員を大切に育てたいという願いと、複雑な親心があるのです。
洋空会は「会費制」の道場です
まず前提として、洋空会は一般的な“月謝制の営利道場”とは異なります。
指導者や事務局スタッフはすべて無償のボランティア。
保護者の皆さんからいただく会費は、子どもたちのための安全備品、行事運営、会場費などの運営に充てられています。
つまり私たちは、地域の中で「子どもをみんなで育てる」気持ちで空手道を続けている市民活動の延長線上の道場なのです。
先生たちも「親」であるということ
空手道を教える先生の中にも、自分の子どもがいる人がいます。
でも実は、「えこひいき」と思われることを恐れて、一番遠慮しているのはその保護者自身かもしれません。
本当は、我が子にも「よくできたね」と声をかけたい。
でも、「あの先生、自分の子ばかり見てる」と思われたくない。
そんな思いから、あえて自分の子を指導する時間を減らしている先生たちがいます。
時には我が子に何も声をかけられずに終わる稽古もあります。
自分の子を空手道で育てたい。
だからこそ学び、資格を取り、指導に立っている先生たちが、「見ているふりをしない」ことに苦しんでいることもあるのです。
それでも、みんなで育てたいから
洋空会は、先生ひとりでまわしている道場ではありません。
大会や行事の運営では、保護者の皆さまが係員・記録係として大きな力になってくださっています。
保護者会もあり、みなさんのあたたかい支えが、子どもたちの経験を豊かにしてくれています。
だからこそ、この場を借りてお願いです。
どうか、「先生の子」というフィルターではなく、「同じ道場の子」として見ていただけたら嬉しいです。
指導の姿勢や人間関係について、心配なことがあれば、遠慮なく私たちに伝えてください。
声を受け止め、より良い道場にするために一緒に考えさせてください。
おわりに:道場は、子どもも大人も育てる場所
空手道を通して子どもたちが強く優しくなっていくように、
私たち大人もまた、子どもたちの存在に育てられています。
道場は、指導者・保護者・地域の方々、みんなでつくる場所です。
これからもどうぞ、温かいご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
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